放射能分析

微量α線測定

サービスの概要

半導体チップ内部の回路が何らかの理由により一時的な誤作動を起こし、記録された内容が破壊される「ソフトエラー」が問題視されています。
その原因の一つが、半導体構成材から発生する極微量なα線です。
クリアライズでは、半導体構成材から発生する極微量なα線を高精度*で測定します。
材料から放出されるα線をエネルギー毎に評価することにより、高精度な材料評価が可能になり、
IC、メモリー、MPU、CPU、SoC等半導体製造プロセスの合理化および品質向上が図れます。
また、材料だけでなく河川水や土壌、大気中といった環境中のα線測定も対応いたします。
*測定下限値0.002カウント/cm2・h

 

特徴

・ソフトエラーの原因となる、半導体構成材から発生する極微量なα線を、最高で測定下限値0.002(カウント/cm2・h)の低エネルギー領域から
高精度で測定可能です。
・エネルギー分析型α線測定装置を使用しており、ガスフロー方式では測定できない核種分析が可能です。

主な装置・仕様

HITACHI 核種分析型αカウンター KS-1000

[装置仕様]
機能     2~9MeVのαスペクトル計測
分解能    半値幅200keV(241Am5.49MeV)
測定下限値  0.002カウント/cm2・h〔試料寸法:130mm×130mm平板〕
検出器    シリコン半導体式放射線検出器
入力電源   AC100V±10%(50・60Hz),5.5A

    測定試料挿入部と挿入時内観
測定試料挿入部と挿入時内観
※上記装置の販売も行っております。装置購入をご検討の際はお問い合わせください。

測定事例

(1) LSI(高集積回路)分野:LSI内使用材料の不純物管理

LSI内使用材料の不純物管理
●α線がLSIチップのメモリセルに入射することにより、LSIチップ内での電離作用によってメモリ反射 (ソフトエラー)が生じる事象があり、
LSIチップを使用する機器の誤動作となり、場合よっては使用設備の損傷につながります。
●ICの微細化・高性能化が進むなかで、構成材料から放出されるα線をより高精度に管理することが求められています。
●微量α線測定装置“KS-1000”を使用することにより、材料から放出されるα線の強さと、その量を同時に評価でき、合理的な材料評価が可能になります。

[α線の発生を管理する構成材]
・パッケージ:封止樹脂/はんだ
・チップ  :配線材料AI/Cuなど

[微量α線測定例]
微量α線測定例


[必要試料量(目安)]

α線測定試料量目安

(2) 自然環境: 河川水の蒸発乾固試料、土壌の直接測定

●測定試料を薄くすることで土壌の直接測定による放出α線ピーク検出が可能です。
●河川水を蒸発乾固し、化学的前処理なしでの直接測定が可能です。
●試料の直接測定が可能となり、早い分析結果が得られ、分析の省力化、汚染管理などの緊急時モニタに有効です。
 

(3) 放出管理及び緊急時モニタリング: 大気中塵埃の測定

●ハイボリュームサンプラー[大口径フィルターでの捕集]の捕集フィルターを直接測定可能。
●α線放出核種の放出管理、緊急時のモニタリングに有効です。