当社では、材料から発生する硫黄蒸気の分析評価や、硫黄蒸気を用いた暴露環境試験を承っております。
「ゴム材料の近くに置いた電子部品が腐食してしまった。」
「分析すると硫化腐食であった。」という事象が多々あるかと思います。
これは、ゴムに残留する硫黄が原因で、加硫における未反応の硫黄が蒸気となって放出され、銀などの金属を腐食させているのです。
この硫黄蒸気は、硫化水素よりも腐食力が強く、湿度の影響を受けないため、電子部品周辺の材料には注意が必要です。
硫黄は、自然環境中にも存在しており、段ボールや燃料,潤滑油にも含まれるものがあります。
電子部品などの銀や銅が硫黄蒸気に対してどの程度耐久があるか、どう変化するかを試験することが可能です。
製品と同じ環境を模擬した、材料から発生する硫黄蒸気の分析評価や硫黄蒸気を用いた暴露環境試験を実施し、要因分析→再現試験→観察→検証までワンストップで対応いたします。
電子部品・銅板・硫黄粉末を共存 (硫黄粉末を指定場所に設置可能)
恒温槽でご要望の温度で暴露 (硫黄の蒸気圧又は実測値から暴露濃度算出)
暴露試験片の観察事例 硫黄により黒く変色した腐食部観察例(Ag/Pt部)
加硫ゴムを100℃の管状炉で加熱して発生するガスを観察していたところ、石英管内面に白色物質の付着が観測されました。 発生したガスと付着物を回収して分析したところ、硫黄が検出されました。
ゴムを入れて管状炉加熱
管状炉先端初期
硫黄蒸気を含む凝縮物
HPLCによる硫黄の分析クロマトグラム