腐食試験

アンモニア耐食性試験

アンモニア耐食性試験 概要

脱炭素化が叫ばれる中、化石燃料の代替物質としてアンモニアが注目されており、アンモニア燃焼による発電プラントなどの研究開発がすすめられ、実用化に向けた動きが加速しています。
また、これに伴いアンモニアの製造・輸送などのインフラ整備、水素を輸送・貯蔵するエネルギーキャリアとしてのアンモニア活用など検討が進められている一方で、アンモニア腐食性が高く、安全上取扱いも難しい物質であることから、配管、バルブ、O-リングなど使用される各種材料に対し高い安定性が求められています。
クリアライズでは、これらの技術をサポートすべく、アンモニアガス、液体アンモニアの2つの環境条件での耐久性評価を実施致します。

 

 
 

アンモニア耐食性試験 特長

試験・観察・分析・評価をワンストップで


アンモニア環境下での試験実施だけでなく、材料の表面観察、分析、強度試験など試験前後の評価までワンストップで実施致します。
ご要望の試験条件にカスタマイズした試験実施も可能ですので、ご相談ください。

アンモニアガス暴露試験

試験可能な条件


暴露条件 密閉試験※1 通気試験
アンモニアガス濃度 ~100vol%※1 ~50vol%※4
温度 ~250℃※2 ~600℃※5
湿度 条件次第
圧力 ~1MPa※3
流量 ~100mL/min
時間 条件次第 条件次第
試験体サイズ 要相談 要相談
※1 但し、時間経過と共に、濃度が変化する場合がございます。(再充填は可能だが、一度、大気開放します)
※2 試験条件により変動
※3 試験条件次第でコントロール不可
※4 試験時間による
※5 管状炉設定温度

濃度調整で使用する希釈ガス又は混合ガスも臨機応変に対応可能

液体アンモニア浸漬試験

試験可能な条件


液体アンモニア濃度 99.999%
温度 ~100℃
水分量 要相談
圧力 ~8MPa※1
時間 要相談
試験体サイズ 要相談※2
※1 温度上昇によるものであるため、コントロール不可(圧縮器を用いた試験は不可)
※2 試験温度により使用する容器が異なるため(SUS容器、PFA容器、ガラス容器 等)
(金属応力腐食割れ、樹脂劣化、金属、セラミックスの腐食試験 等)

試験後の試験体の観察、評価も可能です。

アンモニア耐食性試験 事例

❚① 金属片をアンモニアガスで暴露


試験方法
5種類の金属片をガスバッグに封じ、100%に近いアンモニアガスを充填して15時間後の変色を観察。
金属片をアンモニアガスで暴露対象金属 金属片をアンモニアガスで暴露した試験の様子

結果
Cuの変色が著しいことが判明。 表面元素情報を観察した結果では、Cu2Oと思われる酸化膜の成長が観測された。
各種金属材料のアンモニアガス暴露試験前後外観事例

【Cu表面分析】GD-OES
変色表層からOの検出有。
ガスバッグ内に含まれる微量水分と微量空気が影響し、急速に酸化したと考えられる。
Cu表面分析のグラフ

❚O-リング(ゴム)をアンモニアガスで暴露


試験方法
内径4.8㎜のO-リング5種類を6㎜テフロンチューブに装着してSUS容器に封止。真空にした後にアンモニアガスを加圧充填して、3日後に取り出して観察。

o-リング(ゴム)をアンモニアガスで暴露した試験対象のゴム

o-リング(ゴム)のアンモニアガス暴露試験前後外観事例


結果

O-リング(ゴム)をアンモニアガスで暴露した前後の様子