お問い合わせ
技術資料ダウンロード
image

応力腐食割れ試験 概要

応力腐食割れ(SCC: Stress Corrosion Cracking)は、プラントや機器の重大な事故につながる可能性のある現象です。溶接や加工による残留応力、運転時の外部応力に加え、特定の腐食環境が重なることで発生します。
クリアライズでは、SUS304、SUS316Lをはじめとするステンレス鋼のSCC試験に対応。JIS G0576に準拠した試験方法で、お客様の材料の割れ感受性を評価し、最適な腐食対策をご提案します。腐食環境と応力負荷を模擬した試験で、安全性の向上とプラントの長寿命化に貢献します。

 

 
 

応力腐食割れ(SCC)とは

材料、腐食環境、応力の3要因が重なることで応力腐食割れが発生することを示す図

応力腐食割れ(SCC:Stress Corrosion Cracking)とは、金属材料が特定の腐食環境下で引張応力を受けることによって、亀裂が発生・進展する現象です。

応力腐食割れは、主に「材料」「腐食環境」「応力」の3つの要因が重なることで発生します。

  • 材料:ステンレス鋼、ニッケル基合金、銅合金、アルミニウム合金など
  • 腐食環境:塩化物を含む環境、高温水、アルカリ環境など
  • 応力:外部から加わる引張応力、加工や溶接によって生じる残留応力など

外観から割れを発見しにくい場合もあり、設備や配管、部品などの予期せぬ損傷につながることがあります。そのため、材料と使用環境に応じた試験・評価を行うことが重要です。

応力腐食割れが発生する仕組み

  1. 皮膜への影響
  2. 微小亀裂発生
  3. 亀裂進展
  4. 破損リスク

金属表面には、腐食から材料を守る保護皮膜が形成されています。しかし、腐食環境や応力などの影響によって局所的に皮膜が損傷すると、その部分から腐食が進行し、微小な亀裂が発生する場合があります。

さらに引張応力が加わることで亀裂先端に応力が集中し、腐食と亀裂の進展が繰り返されます。

応力腐食割れは外観上の変化が小さい状態でも内部で進行している場合があるため、使用環境を考慮した適切な評価が重要です。

材料によって異なる応力腐食割れ

応力腐食割れの発生しやすさは、材料と腐食環境の組み合わせによって異なります。

例えば、オーステナイト系ステンレス鋼では塩化物を含む環境、高強度炭素鋼では特定の腐食環境、銅・銅合金ではアンモニアなどを含む環境が影響する場合があります。

クリアライズでは、SUS304、SUS316Lをはじめ、高強度炭素鋼、各種ステンレス鋼、ニッケル基合金、アルミニウム合金、銅・銅合金、チタン合金など、さまざまな金属材料の評価に対応しています。

材料想定される環境例
ステンレス鋼塩化物環境、高温水など
高強度炭素鋼腐食環境+応力
銅・銅合金アンモニア等
ニッケル基合金高温・高圧環境など

応力腐食割れ試験 特長

応力腐食割れ試験
応力腐食割れ試験

各種JIS試験および模擬実環境にも対応

さまざまな材料について試験片を製作し、各種JIS試験およびご希望の試験条件(試験液,試験温度,応力)で応力腐食割れ試験を行うことができます。 試験後の外観変化や破面状況を観察・確認することで、試験環境中での応力腐食割れ状況を把握できます。
SUS304鋼の試験後の割れ状況
SUS304鋼の試験後の割れ状況
経過時間変化を確認して、孔食発生時間・マイクロ割れ発生時間および割れ横断時間を求めることで、割れ感受性などを評価できる試験方法です。
適用分野
  • 高強度炭素鋼
  • オーステナイト系ステンレス鋼
  • フェライト系ステンレス鋼
  • マルテンサイト系ステンレス鋼
  • ニッケル基合金
  • アルミニウム合金・銅・銅合金
  • チタン合金など
事例
  • JIS G 0576 ステンレス鋼の応力腐食割れ試験
  • JIS G 0575 ステンレス鋼の硫酸・硫酸銅腐食試験
  • 中性塩溶液中における残留応力による影響確認試験
  • アルカリ環境での銅および銅合金の影響確認試験

SUS304鋼とSUS316L鋼の試験後の粒界腐食状況

  • SUS304鋼の試験後の粒界腐食状況

    SUS304鋼

  • SUS316L鋼の試験後の粒界腐食状況

    SUS316L鋼

応力腐食割れ試験で評価できること

応力腐食割れ試験では、実際の使用環境を想定して腐食環境や応力条件を設定し、材料の割れ感受性や腐食挙動を評価します。

クリアライズでは、各種JIS試験に加え、試験液・温度・応力などの条件を設定した模擬実環境試験にも対応しています。

試験によって、

  • ・応力腐食割れの発生有無
  • ・材料ごとの割れ感受性
  • ・孔食やマイクロクラックの発生状況
  • ・腐食環境による影響
  • ・試験後の断面・破面状態

などを確認し、材料選定や腐食対策の検討に活用できます。

こんな課題で応力腐食割れ試験が活用されています

  • 使用中の配管・設備に亀裂が発生した原因を調べたい
  • ステンレス製部品の割れが応力腐食割れによるものか確認したい
  • 材料変更前にSCC感受性を比較したい
  • 溶接や加工による残留応力の影響を確認したい
  • 使用環境を模擬した条件で材料の耐久性を確認したい
  • 塩化物やアルカリ環境など特定条件での影響を評価したい
  • 製品や設備の長寿命化に向けて腐食リスクを把握したい

応力腐食割れ試験 試験例

SUS304やSUS316Lなどのオーステナイト系ステンレス鋼では、塩化物などの腐食環境と引張応力・残留応力が重なることで、応力腐食割れが発生する場合があります。

クリアライズでは、実際の使用条件を想定した試験環境を設定し、材料ごとの腐食状況や割れ感受性を比較・評価することが可能です。

浸漬試験 試験例


ステンレス鋼の応力腐食割れ SCC試験 (Stress Corrosion Cracking)

JIS G0576 ステンレス鋼の応力腐食割れ試験方法

ステンレス鋼の応力腐食割れ SCC試験
ステンレス鋼の応力腐食割れ SCC試験


断面、破面観察例

断面破断面観察例

応力腐食割れを防ぐための考え方

応力腐食割れの対策では、「材料」「腐食環境」「応力」の3要因のいずれかを除去・低減することが基本となります。

<材料への対策>

使用環境に適した材料を選定し、必要に応じて耐SCC性の高い材料への変更を検討します。

<腐食環境への対策>

塩化物などの腐食性物質、温度、pHなど使用環境を把握し、腐食が進行しにくい条件へ管理します。

<応力への対策>

設計や加工、溶接などによって生じる応力を把握し、応力集中や残留応力を低減する方法を検討します。

適切な対策を検討するためには、実際の材料や使用環境を再現した試験によって、どの要因が影響しているかを確認することが重要です。

FAQ(よくあるご質問)

Q応力腐食割れとは何ですか?

A特定の腐食環境と引張応力が組み合わさることで、金属材料に亀裂が発生・進展する現象です。

Qステンレスでも応力腐食割れは発生しますか?

Aはい。SUS304などのオーステナイト系ステンレス鋼では、塩化物環境や残留応力などの条件によって応力腐食割れが発生します。

Q実際の使用環境を想定した試験はできますか?

Aはい。クリアライズでは、試験液、試験温度、応力などを設定した模擬環境試験に対応しています。

Q試験後の割れを詳しく確認できますか?

A試験後の外観観察だけでなく、断面・破面観察などによって割れの状態を確認できます。

Qどの試験を行えばよいかわからない場合でも相談できますか?

A材料、使用環境、発生している現象などを確認したうえで、目的に合わせた試験条件を検討します。

CONTACT

/ お問い合わせ