環境規制物質分析

RoHS、REACH、TSCA等の規制物質分析

RoHS、REACH、TSCA等の規制物質分析概要

 欧州連合(EU)による電子・電気機器における特定有害物質の使用制限(RoHS指令*1*2*3))をはじめとして、近年有害化学物質の使用を制限する法規制が各国や地域で進んでいます。
 EU_RoHS指令での規制物質は、2019年7月よりフタル酸エステル類4物質が加えられ*4)、計10物質が規制対象となりました。
 また、REACH規則*5)は、欧州連合が制定した人の健康や環境の保護のために化学物質(SVHC*7)等)を管理する規則であり、同様の取り組みが、世界中の国や地域で行われています。日本でも、「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」(化審法)により規制が進んでおり、2011年10月21日からは、「PFOAまたはその塩」等物質の規制*6)が施行されています。

 当社では、材料分析等豊富な経験を生かし、簡易測定から詳細分析までの評価を、お客様の目的に応じて対応いたします。

*1) 2002/95/EC https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/?uri=celex%3A32002L0095
*2) 2005/618/EC https://op.europa.eu/en/publication-detail/-/publication/476b0673-6b56-4986-a572-99fa5c272290/language-en
*3) 2011/65/EU https://eur-lex.europa.eu/legal-content/en/TXT/?uri=CELEX:32011L0065
*4) 2015/863/EU https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/?uri=CELEX%3A32015L0863
*5)  (EC) No 1907/2006 https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/?uri=CELEX:02006R1907-20140410
*6) 経済産業省(2021/4/16) https://www.meti.go.jp/press/2021/04/20210416010/20210416010.html
*7) ECHA/Candidate List of substances of very high concern for Authorisation
   https://echa.europa.eu/candidate-list-table

 

 
 

対応内容

欧州REACH規則ユニバーサルPFAS制限などの含有調査

 身近な製品への主な使用例
 PFASは有機フッ素化合物の総称で、難燃性、耐熱性、撥水性、撥油性、界面活性、絶縁性など多くの化学的性質を持つことから、半導体、フォトマスク、金属メッキ工程、食品パッケージなど様々な製造分野で使用されてきました。
 しかし、近年POPs条約やREACH規則(欧州)、化審法(日本)などにより使用が制限され、その規制は徐々に強化されています。
   クリアライズでは、液体クロマトグラフタンデム質量分析計(LC/MS/MS)を用いて、規制物質のPFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)やPFOA(ペルフルオロオクタン酸)をはじめ、PFHxS、PFHxA、C9-14のPFCAsの含有量分析をすることが可能です。
  【対応可能物質】
 ・PFOSとその塩
 ・PFOAとその塩
 ・PFHxSとその塩
 ・PFHxAとその塩
 ・PFCAs(C9-C14)とその塩
  【対象試料例】
 ・樹脂材料・ポリマー加工品・グリス、表面処理剤・排水、地下水など

  • PFHxSのモニタリング例

    PFHxSのモニタリング例

  • PFOAのモニタリング例

    PFOAのモニタリング例

  • PFOSのモニタリング例

    PFOSのモニタリング例

米国TSCA PBT5物質の含有調査

2021年1月6日付けで米国環境保護庁(EPA)より公表された有害物質規制法(Toxic Substances Control Act)規制対象の化学物質(PBT物質)の含有調査が可能です。
   

物質名

CAS No.

濃度規制(閾値)

主な用途

測定方法

デカブロモジフェニルエーテル(DecaBDE) 1163-19-5 樹脂系添加難燃剤※第一種特定化学物 GC/MS
リン酸トリス(イソプロピルフェニル)(PIP(3:1)) 68937-41-7 塩ビ製品の難燃性可塑剤、接着剤、塗料、インクなど LC/MS
ペンタクロロチオフェノール(PCTP) 133-49-3 閾値1wt% 有機ゴム薬品(素練促進剤) GC/MS
ヘキサクロロブタジエン(HCBD) 87-68-3 溶剤※第一種特定化学物質 GC/MS
2,4,6-トリーtertーブチルフェノール (2,4,6-TTBP) 732-26-3 酸化防止剤※第一種特定化学物質 GC/MS

欧州RoHS、ELV指令などの規制物質調査

重金属類詳細分析(Cr、Pb、Cd、Hg)

マイクロウェーブ分解法やアルカリ融解法などの適切な前処理によって分解し、正確な含有量を評価することが可能です。

  • マイクロウェーブ分解装置の外観

    マイクロウェーブ分解装置の外観

  • ICP-AESの外観

    ICP-AESの外観

  • ICP-AESの外観

    ICP-MSの外観

臭素系難燃材、フタル酸エステル類分析(PBB、PBDE、DEHP、DBP、BBP、DIBP)

燃焼-イオンクロマトグラフ分析法やPy-GC-MSを用いた簡易的な測定から、ソックスレー抽出などの適切な前処理をして、GC-MSで測定する詳細分析まで対応いたします。

  • 燃焼イオンクロマトグラフの外観

    燃焼イオンクロマトグラフの外観

  • GC-MSの外観

    熱分解ガスクロマトグラフ質量分析装置(Py-GC-MS)の外観

適用分野

  • 電子、電気機器類各種部品の含有量評価
  • 金属部材めっき品の六価クロム(Cr6+)含有量評価
  • 樹脂部材中のPBB、PBDE含有量評価やフタル酸エステル類含有量評価
  • 半導体の製造等に使用する「PFOS、PFOA又はその塩」含有量評価
  • 米国TSCA PBT5物質の含有調査

TSCA資料表紙図をクリックするとPDFがダウンロードできます。

     その他、製品含有化学物質に関する分析を実施しておりますので、ぜひ一度お問い合わせください。

主な装置・仕様

高周波誘導結合プラズマ発光分光分析装置(ICP-AES)

  • パーキンエルマーOPTIMA8300
  • ポリクロメータ型
  • 堀場 ULTIMA2
  • 日立ハイテクサイエンス SPS3520UV-DD
  • 高感度シーケンシャル
  • 測定成分:金属元素全般

原子吸光光度計(AAS)

  • 日立 Z2010
  • 偏光ゼーマン型、フレーム型、フレームレス型
  • 測定成分:金属元素全般

高周波誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP-MS)

  • アジレント・テクノロジー Agilent 7500a、8800x
  • 測定成分:金属元素全般
  • 分解能(感度など):ppb
  • 多元素同時定性・定量分析

分光光度計

  • 日立ハイテクサイエンス U-2900
  • 測定波長範囲 190〜1,100nm

燃焼イオンクロマトグラフ(IC)

  • Thermo Fisher SCIENTIFIC   ICS-1500
  • 日東精工アナリテック(株) AQF-100
  • オートサンプラー、データ処理機能付き、自動試料燃焼装置
  • 電気炉温度:Inlet 900℃、Outlet 1,000℃

ガスクロマトグラフ質量分析装置(GC/MS)

  • 島津製作所   QP-2010Plus
  • 四重極型、データ処理装置付き
  • Tenax濃縮(サーマルデソープション)付属
  • Pyパイロライザー(熱分解分析)付属