表面分析

表面成分分析

表面成分分析 概要

材料表面の成分分析としては、高周波グロー放電発光分光分析装置 (rf- GD-OES)を使用する方法があります。
この装置は、Arスパッタリングにより試料表面から原子を弾き出し、励起させ生じた発光を分光測定することにより深さ方向の元素分析ができる装置です。
従来の表面分析装置より迅速に最大100μm程度まで評価可能です。また検出濃度範囲が広いため主成分から微量成分まで同時に評価することができます。

表面成分分析 特長

多元素同時定性・半定量分析 : H〜U 最大35元素
  深さ分析 : 数nm〜100μm(試料による)
>高感度分析 : 検出下限 数十ppm(元素による)
広領域分析 : 分析領域φ4mm、φ2mm
導電性材料だけでなく非導電性材料(ガラス、セラミックス、有機材料)も測定可能
スパッタリングレート膜厚換算が可能
適用分野
  • 多層膜、めっき、コーティングの深さ方向の元素分布や界面評価
  • 皮膜や薄膜、表面処理層の厚み評価
  • 電池電極層の元素分布評価
  • 金属材料中の深さ方向のH分布評価
  • 表面変色部の調査
  • 雰囲気や熱による表面変化および熱拡散評価
事例
  • 浸炭品の粒界酸化
  • めっき品の分析
  • 磁気ディスクの分析
  • 加熱による金属材料の変化(酸化膜厚評価)

表面成分分析 主な装置・仕様

高周波グロー放電発光分光分析装置



高周波グロー放電発光分光分析装置
装置仕様
装置 堀場製作所製 高周波グロー放電発光分光分析装置 (rf- GD-OES)  GD-Profiler2
ランプ型式 マーカス型
アノード(分析領域) φ4mmまたはφ2mm
Oリング φ10mm
検出器 光電子増倍管
分光器 ポリクロメータ(メイン分光器)
分光器 モノクロメータ(サブ分光器)

  • 測定部の外観

    測定部の外観

  • 測定部の外観(試料導入時)

    測定部の外観(試料導入時)

試料形状
導電性材料 (金属など) 平面試料(基本) φ10mm〜φ150mm 30mm厚以下
非導電性材料 (セラミックス、ガラス、有機材料) 平面試料(基本) φ10mm〜φ150mm 1mm厚以下

分析方法の詳細

高周波グロー放電発光分光分析



1.概要
高周波グロー放電発光分光分析(rf-GD-OES) は、Arスパッタリングにより試料表面から原子を弾き出し、励起させ生じた発光を分光測定する方法で、H~Uまでの複数元素情報を同時に、最大深さ100μm得ることができる深さ方向の表面分析方法です。また検出濃度範囲が広いため主成分から微量成分まで同時に評価することができます。
カントバックと同様に鉄鋼材料の定量分析ができる定量装置でもあるため、従来の表面分析装置に比べ、再現性の良い結果が得られる特徴を有しております。


2.特長・装置外観
■ 深さ方向の元素分析〔数nm~100μm程度〕
■ 多元素同時定性・半定量分析〔H ~ U 最大35元素〕
■ 高感度分析〔検出下限:数10ppm (元素による)〕
■ スパッタリングレート膜厚換算
■ 広領域分析〔分析領域 φ4 mm,φ2mm〕
■ 大気曝露させずに測定することも可能
■ 金属材料だけでなく非導電性材料も分析可能(非導電性材料:ガラス,セラミックス,有機材料※など)
※ Cが主成分材料である有機材料などはAr-O(5%)ガスで測定を行う。Ar-Oにより測定した場合は定性分析のみ可能


  装置及び原理 測定可能元素


3.主な用途

主な用途


4.分析事例
スパッタ速度は元素ごとに違うため深さ方向に構成元素および含有濃度が変化する試料は一定の速度でスパッタできません。GD-OESは材料固有のスパッタリングレート(SR)を用いた膜厚換算評価ができる新しい手法です。

分析事例
分析事例


5.主な分析実績
・めっき品など多層膜の深さ方向の元素分布や界面評価
・表面変色部の調査
・雰囲気や熱による表面変化および熱拡散評価
・皮膜や薄膜、表面処理層の厚み評価
・金属材料中の深さ方向のH分布評価