機能性材料

磁歪材料解析評価

磁歪材料の結晶方位解析

磁歪材料の測定・評価

磁歪材料の性能向上には、材料中の結晶特性を評価することが必要になります。
本ページでは、東北大学大学院環境科学研究科成田史生先生、栗田大樹先生よりご提供いただいた試料について実施した、「EBSDを用いた磁歪材料の結晶評価」を紹介します。

 

 
 

概要

3D造形法により作製された対象の磁歪材は、この造形方法から結晶方位が特定の方位に成長しているものと考えられたため、弊社のSEM-EBSDを用いて結晶粒径解析および結晶方位配向性解析を実施しました。
また、様々な元素から成る合金のため、結晶相同定から弊社所有の装置で分析を実施しました。

結晶特性測定・解析

■ 逆極点図方位分布の評価
色調に偏りが無いことから、結晶方位はランダムであることがわかりました。


■ 極点図による結晶方位分布の評価
図中のスポットが分散していることから、結晶に強い配向性が存在しないことがわかりました。


■ 結晶粒界表示
結晶粒界を明確化して、平均粒径を算出しました。


■ 結晶粒径分布解析
微細な結晶粒は、造形方向に関連して伸びるような形状も一部観られますが、結晶方位としては、強い配向性が存在しないことがわかりました。

結晶相同定

■ SEM-EDX面分析
異なる組成の結晶相が複数存在していることが懸念されましたが、均質な結晶相が支配的であることがわかりました。

※これらの分析結果から結晶相を選択し、EBSDの測定および解析に用いました。


■ X線回折プロファイル 及び 標準ピークパターン
ピークパターンから結晶構造、ピーク位置から格子定数、ピーク強度比から配向状態を確認しました。

使用装置

結晶特性測定・解析に用いた装置

・SEM HITACHI SU8230
・EBSD検出器 Oxford Nordlys Nano
・EBSD解析ソフト Oxford AZtecCrystal

 SEM : Scanning Electron Microscope 走査型電子顕微鏡
 EBSD : Electron Backscatter Diffraction Pattern 電子後方散乱回折

結晶相同定に用いた装置

・SEM-EDX Oxford X-Max N80
・微小部X線回折装置 リガク SmartLab

 EDX : Energy Dispersive X-ray Spectroscopy エネルギー分散型X線分光法

  • SEM-EDX(SU8230)

  • 微小部X線回折装置(SmartLab)